Doctor of Theology(Th.D.)の課程

■Th.D.の目的

神学の各分野において基礎的な学究および訓練を修得した者で、さらに各々の専門分野において深く広く研究をなし、教師、伝道者、宣教師などとして教会に奉仕する働き人を育成する神学教育機関で働くことを使命とする神学教師の育成を主な目的としています。

■Th.D.の特色

本校におけるDoctor of Theology(Th.D.)は、Th.M.および同等の資格を前提とし、神学において最高度の学的にして独自な研究成果を提示した者に与えられる認証資格です。この認証資格の取得は、もっぱら提出されたDoctoral Dissertationを基礎としてなされるものでコースでの単位取得を必要としません。論文の審査には、当該の専門分野において国際的に学的権威が認められている審査委員が含まれます。さらに論文の学問的独自性および妥当性について口述試験(oraldefense)が課せられます。AGSTにおけるTh.D.課程は、神学諸分野の普遍的領域における研究に連なりつつアジアにおける神学研究の新しい地平を開く意図で設けられ、より高度な研究によりアジアの宣教に貢献することを意図しています。

■学修領域

Th.D.の履修研究分野は下記の4分野です。ただし、指導教授の都合などにより、制限されることがあります。

  • 聖書学
  • 組織神学
  • 歴史神学
  • 実践神学

■入学条件

志願者は、以下の条件を満たしていることが求められています。

  1. AGSTまたは同等の学位授与認定機関より公式に認定された神学教育機関のTh.M.の学位取得者であること。
  2. 語学能力一神学研究に十分な語学能力として以下のものが要求されます。(具体的認定試験は、入学後になされます。語学認定試験の項を参照)

■提出書類

受験手続志願者は、以下の書類を提出して下さい。

  • 入学願書(本書末ページに掲載。A4用紙にコピーしてご利用ください)
  • 大学および神学校からの卒業証明書および成績証明書各1通
  • 写真3枚(3cm×4cm)
  • 推薦状2通(1通は以前に学んだ神学校の教師からのもの。1通は所属教団の上司<監督、教団議長など>からのもの)
  • 出願料5千円、受験料2万円
    振込み先:郵便振替 01100-3-65161「アジア神学大学院日本校」
  • 健康診断書

■課程開始認定試験

●Th.D.課程審査委員会

志願者の願書が提出されると、日本校のTh.D.課程審査委員会(Doctoral Advisory Committee)が次の3名によって構成されます。

  • 日本校校長(AreaDean)
  • 日本校教務主任(Registrar)
  • Th.D.課程主任教授

試験日程などについては、審査委員会から指示されます。

●論文審査および認定試験

願書一式の書類審査の後に、試験日および審査論文の提出期限日などがTh.D.課程審査委員会において決められます。その過程は以下のとおりです。

  • 論文審査:Th.D.の履修有資格者であることを示すために、Th.M.論文以降に書かれた研究学術論文が、Th.D.課程審査委員会に提出され、判定が下されます。
  • 認定試験(Qualifying Examination)が次の四つの分野にわたって実施されます。
    ①聖書学、②組織神学、③歴史神学、④実践神学。
    試験期間中に面接も行なわれます。
  • 志願者は、Th.D.課程審査委員会の推薦により、教授会で合否が決定され、運営理事会に報告されます。

■語学認定試験

Th.D.課程の正規の学生として認定がなされた場合、研究に必要な語学の認定試験を受けることとなっています。各語学の試験は合格するまで原則として3回まで反復することができます。語学の認定試験は、Th.D.課程審査委員会のもとで実施されます。同委員会から委託を受けた教授が担当することもあります。その場合の報告は同委員会に提出され、最終決定されます。試験は以下の項目にそって実施されます。

  • 聖書言語(ヘブル語・アラム語およびギリシャ語)の読解力(Reading Knowledge)
  • 研究および講義理解または討議のために必要とされる英語力(Practical Proficiency in English)
  • 自国語以外の言語で、しかも研究分野で有効である現代外国語1種類の使用能力

■補完学修

Th.D.候補者は、研究経歴を勘案して、一定の研修が求められる場合があります。その場合は、校長およびTh.D.課程主任教授の監督のもとに、専攻分野の教授の指示に従って所定の学びを行います。

■Th.D.候補認定審査(Candidate Qualification)

 h.D.課程の学生は、語学試験および論文プロポーザルの審査によって、Th.D.候補者と認定されます。この審査の通過によって論文執筆に着手することができます。

■論文執筆

  • 論文の長さは、英語の場合は、7万語程度、日本語の場合、本校規定の書式(40字×25行)に従って13万字程度となっています(A4用紙に130枚程度)。
  • 論文の書式その他の詳細は、Th.M.論文に準じます。

■Th.D.総合試験

Th.D.課程の学生は、論文執筆後、Th.D.総合試験(Comprehensive Examination)および論文に関する口述試験およびの合格をもってTh.D.取得が確定します。